日本の祭りレポート
やいづじんじゃたいさいあらまつり
この祭りの四大神役は「御神子(いちっこ)」「猿田彦」「流鏑馬」「御供奉」で、それぞれがハレの日に向けて猛特訓を重ねます。その神役は焼津市民の憧れ。祭りは赤ん坊の健やかな成長を祈る「神ころがし」など多様な神事がくりひろげられ、市民5,000人が参加し、老若男女、ここは祭りの爆発状態。この祭りは「東海一の荒祭」と言われますが、それは「荒々しい」という意味ではなく、「純粋な気持で神に奉仕する」ということ。そして、掛け声の“あんえっとん”は「神様を尊く思う」(尊(あな)とう)を意味するといいます。小泉八雲は毎夏を焼津で過ごし、“ここには神様がいる”と言ったといいます。
【取材・文:苦田秀雄】
日本武尊(やまとたけるのみこと)ゆかりの焼津神社は約1600年前の創建といわれ、生業繁栄、家内安全、海上安全など、地域の篤い信仰を集めています。焼津神社大祭荒祭は毎年8月12・13日に行われ、荘重な御神楽祭(おかぐらさい)と対照的に力強く繰り広げられる神輿渡御が「東海一の荒祭り」とも称され最大のみどころとなっています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り