日本の祭りレポート
よしだのいちいりさい だんじりこどもかぶき
“「市入祭」の「市」は「町」のことで、この祭りは「神様が町に入られる」ということです”。祭りに先立ち、宮司さんが境内で町衆や中学生たちに優しく語ります。談話には日々の心がけも。ここは毛利元就の故郷でもあり、「1本の矢は折れるが、3本束ねれば折れない」などとか。
神事が終われば神輿が町に出て11か所のお旅所を回ります。壇尻屋台で吉田中学校2年生の有志が歌舞伎を演じます。彼らにとってそれは一生に一度の晴れ舞台。演目は「絵本太功記十段目尼ヶ崎之段」。本能寺以降の明智光秀です。またオリジナルの演目「郡山懐古 三矢の訓」を通じて少年たちは元就の教えを学ぶのです。
【取材・文:苦田秀雄】
市入り祭の祭礼で、神輿に供奉するだんじり屋台は約350年の歴史を持ち、「千歳山」と「八雲山」が 町内を練り歩き、その上で3人の子供が歌舞伎を熱演します。だんじり屋台の上で子ども歌舞伎を上演するのは全国でも稀で、千本桜など有名な演目のよく知られた箇所を抜粋して演じられます。その回数は1日10回にも及びます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り