日本の祭りレポート
たかおさんひわたりさい
修験道の修行のひとつに「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」があり、これは人間の6つの感覚器官である目・耳・鼻・口・身体・心をきれいにすること。この祭りは参拝者に修行の一部を披露し、最後に「火渡り」を経験してもらうものです。
高尾山薬王院の広場には桧葉を積み上げた炉が組まれ、火が放たれるやそれはすさまじい煙を噴出。火は高尾山の本尊である飯綱大権現の智慧の浄火で、あらゆる煩悩を焼き清めるとされています。火がおさまり、先ず修験者がその上を歩き、参拝者がそれに続きます。修験道の修行を「自行」といい、これは人に見せないで一人で行うもの。彼らは日々それを行っています。その姿を垣間見られるこの祭りは希少。
【取材・文:苦田秀雄】
古来、修験道(しゅげんどう)の山として栄えている高尾山。今もなお、その教えを受け継ぎ行われているのが火渡り祭です。火を渡る事により仏様と一体となり自身の汚れや煩悩を焼き尽くす修行です。はじめに心身を鍛練している山伏が火渡りを行い、引き続き一般の人も火渡りに参加できます。