日本の祭りレポート
やつしろみょうけんさい
妙見信仰は、人の運命は北極星に支配されるという思想で、北斗七星を神格化した信仰です。天体の東は歳星、西は太白、南は蛍惑で北は辰星であり、方位の四神(守護神)のうち北の玄武は中国の想像上の神獣で、亀に蛇が巻きついた形です。それを「亀蛇(きだ)」といい、この祭りの主人公。町の人は愛情をこめてこれを「ガメ」とよびます。23日の神幸は見ごたえがあります。特に各町の傘鉾は八代職人の手になる第一級の芸術作品。祭りのフィナーレは「亀蛇」が登場。ユーモラスな風情に観客は盛り上がります。川に落ちたり、登ったり大奮闘。これは「亀蛇」に乗った妙見神が竹原津に上陸する姿の再現なのです。
【取材・文:苦田秀雄】
九州三大祭の一つ。約380年の歴史を持つ、獅子、笠鉾、亀蛇(キダ)など40もの出し物から成る神幸行列が、早朝から八代神社へと練り歩きます。江戸時代、熊本藩主の細川氏や八代城主の松井氏による厚い保護を受け、妙見祭は徐々に町人気質で異国情緒ただよう賑やかな祭りとなりました。2016年ユネスコ無形文化遺産に登録。(国指定 重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り