日本の祭りレポート
さいだいじえよう
この祭りは修正会結願(しゅじょうえけちがん)の行事で、室町時代に住職の忠阿上人(ちゅうあしょうにん)が修正会法願の日に護符を民衆に投げ与えたことに始まるもの。
午後10時、灯りが消され、本堂の御福窓から2本の宝木(しんぎ)が投げ落とされ、「本押し」とよばれる宝木争奪戦が始まりました。群集は本堂の大床や地面を踏み鳴らし、もの凄い叫び声が交差。かつて、その声は瀬戸内海を越えて香川県まで届いたとか。ゆらゆらと無数の手がゆらめき、この景色は巨大なイソギンチャクか、人間活火山か。本堂にいるのは3000人。わずか17平方メートルの場所に!境内を含めれば9000人。宝木を取った男は「祝主(いわいぬし)」のもとに走り、1升桝に盛られた米にそれを差し込み、争奪戦は終了。
【取材・文:苦田秀雄】
備前平野に早春を告げる奇祭、はだか祭りこと西大寺会陽。約500年前、お寺で配られる護符にご利益があると評判になり、人々が殺到したため、やむなくこれを投げ与えた事に始まったとされる。木製一対の護符は「宝木(しんぎ)」と呼ばれ、この宝木をめぐって9千人の裸の男衆が、福を求め激しい争奪戦を繰り広げます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り