日本の祭りレポート
いちのせきし・だいとうおおはらみずかけまつり
世界三大大火のひとつに明暦の江戸大火(振袖火事)があります。犠牲者は10万人。その教訓からこの祭りは始まりました。発端は八幡寺の僧が川で火防祈願の禊ぎをしていたのを地域の若衆が倣ったこととか。
25歳、42歳、62歳の年祝者の家を囃して回る手踊り集団が独特です。ほかにも催しは消防団纏振りや梯子芸、鹿踊、大正時代の消防ポンプの実演など盛りだくさん。クライマックスは下帯姿の男たち300人の疾走です。号砲を合図に軍団は商店街を猛ダッシュ。恐ろしいばかりのその姿は迫りくる炎か人間蒸気機関車か。沿道から容赦なく水が浴びせられます。走った距離はおよそ500メートル。過酷な奇祭です。
【取材・文:苦田秀雄】
極寒の2月、市道「大原水かけ祭り線」という名の約500mの通りを疾走する裸男達に、容赦なく冷水を浴びせるその様から「天下の奇祭」とも呼ばれます。
1657年の「明暦の大火」(振袖火事)を厄日と定め、「火防祈願」と「火防宣伝」の二つを兼ねて始まったと伝えられる、360年以上の歴史ある祭りです。