日本の祭りレポート
たちばなのけんかだんじり
この祭りは橘4地区のだんじりをぶつけあうのがハイライトで、それは江戸後期にだんじり同士の笹が触れあったことに由来するとか。だんじりの先端には鋼鉄で武装された2本の棒が突き出され、それは“いーさんじゃえー(勇んじゃえ)”の掛け声でだんじりを目いっぱい後方に引き下げ、“もーどっせ(戻せ)”で激しくぶつけあうのです。地面が揺れ、激しい衝突音が皆の血を沸騰させます。だんじりの中で囃す子供らへの衝撃はいかばかりかと。ぶつけあいは延々5時間にも及び、午前0時頃になってやっと宮入り。だんじりは順次猛烈な勢いでお旅所に突っ込みます。海の男の匂いが充満する祭りです。
【取材・文:苦田秀雄】
ケンカだんじりは、毎年10月、海正八幡神社の例大祭で行われる行事。古くから船の安全や、大漁を祈願してきただんじり(楽車)どうしが激しくぶつかり合います。だんじりをぶつけ合うようになったのは、昭和の20年代後半ころよりで、人間同士が祭りで喧嘩をしないよう、だんじりに代わりをさせてきたといわれています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り