日本の祭りレポート
はらいがわかぐら
この神楽の目的は、冬に向かう時期、霊力の衰えた魂を鼓舞して再生させる「鎮魂(たまふり)」にあったとされます。過去の長い歴史に中で、多くの芸能が廃れましたが、神楽が廃れないのは、信仰の精神を併せもっているからなのでしょう。「祓川神楽」にはふたつの特徴があります。一方は剣舞で、もう一方は豊作神舞です。「中入り」の剣舞は12人が手に剣をもち、阿吽の呼吸で勇壮に舞うもの。そして「剣」という演目。これは7歳の神童を交えての3人舞いです。神童は素手で剣を握り、でんぐり返るのです。大変危険な技。大人のうちひとりは神童の父親だとか。父子の愛が怪我を避けるというのです。
【取材・文:苦田秀雄】