日本の祭りレポート
かずさじゅうにしゃまつり
古事記によれば、むかし九十九里浜釣ヶ崎の海岸に玉依姫命(たまよりひめのみこと)が上陸。この祭りはその命(みこと)と一族の神々の年に一度の再会を祝うものです。
9基の神輿はそれぞれの神社を出発して九十九里浜の波打ち際を疾走。それを先導するのが神馬(かんのんま)。手綱を握る若者は振り飛ばされないように走る、走る。馬には神が載っているとされているため人が乗ることは許されないのです。そして行く先は釣ヶ崎祭典場。碧い空に青い海。白丁の男女の健康的な色気が発散。午後3時、祭典場に9基の神輿が一列に並び、一斉にさし上げられます。それは神々の再会を祝う差し上げなのです。
【取材・文:苦田秀雄】
上総十二社祭りは1200年以上の歴史と伝統を誇り、上総國一之宮玉前神社御祭神・玉依姫命(かずさのくにいちのみやたまさきじんじゃごさいじん・たまよりひめのみこと)とその一族の神々が由縁の釣ヶ崎海岸で年に一度再会されるという、房総最古の浜降り神事です。由縁の神々を奉じた各社9基の神輿を千名余りの裸の若い衆が担いで、九十九里の大海原を疾走し、釣ヶ崎祭典場を目指します。