日本の祭りレポート
よこおかぶき
横尾歌舞伎は200年以上の歴史を受け継ぐ農村歌舞伎。古来、村のしきたりとして青年会に入会すると必ず芝居をやらなければならない不文律があり、従わない者には風呂焚きの罰則があったほど。住民はかたい結束で結ばれてきました。現在、引佐(いなさ)町には「開明座」という歌舞伎のできる立派な施設があり、子ども達の育成もしっかりと組織化されています。八住神社(横尾)、六所神社(白岩)への奉納芸能というかたちをまもりながら、役者・太夫・三味線から裏方に至るまで全て地域の人びとの手で。花卉や蜜柑の農家という生業を軸にしたコミュニティのつながりが、温もりのある地芝居を演じつづける原動力となっています。
取材・文:加藤正明
引佐町横尾・白岩地区に200年以上前から伝えられている農村歌舞伎。同地区の八柱神社、六所神社の祭礼の奉納芸能として行われてきました。役者、三味線、お囃子はもちろん、カツラ、衣装、床山、大道具、小道具すべてを地域住民で担っています。技を引き継ぐため、横尾歌舞伎少年団、少年少女三味線教室が組織されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り