日本の祭りレポート
はなびどうらんばち
これは丹波地方から筑紫に伝わり、砲術指南役の古川安太夫元純によって「花火動乱蜂」が開発されたと伝わります。歴史は2023年現在で375年。王子池を真ん中にした会場には大きな櫓が組まれ、そこには多くの鉄パイプがまるで恐竜の角のように差し込まれています。前座の仕掛け花火が終わればいよいよメインの「花火動乱蜂」。若宮八幡宮の祠で採火された神火が運ばれ、保存会長が種火に点火。火は猛烈な勢いで綱をシュルシュルと走ります。距離は王子池をまたいで100mばかりか。一瞬の静寂。そのとき櫓にしつらえられた管からバチバチと花火が炸裂。それはまるで怒り狂った蜂が四方八方に飛び出すような光景。大音響。地響き。肝がつぶれる迫力。20秒ほどの、息の詰まる瞬間芸でした。
※参考:文化庁月報 平成25年11月号(No.542)記事
取材・文:苦田秀雄
悪疫退散と五穀豊穣を願って、花火を奉納したことを起源とする約370年続く祭り。神事などが執り行われた後のフィナーレを飾るのが動乱蜂。山の中に竹でできた櫓(蜂の巣)に点火すると、中の花火が四方八方に飛び散ります。その様は、巣をつつかれた蜂たちが一斉に飛び出すかのようで、「花火動乱蜂」と名付けられました。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り