日本の祭りレポート
ほりのうちじゅうごやまつり
ここは米どころ、新潟県魚沼市の堀之内。祭りの前夜は雨でした。でも花火があがります。それは奉納者一人ひとりの、“お父さん、お母さん天国で幸せに”などの言葉をそえてあがってゆく奉納花火。
翌日、六間小路の薬局の二階から通りを見おろせば、どんどんやってくる樽神輿にまたがった若者の表情はもう恍惚、昇天状態。暴れまくった神輿は次々と魚野川の「神輿流し」へ。若者らは下帯姿で、鉢巻きに御幣をさして神輿によじ登り、次々と川に飛び込みます。それは御幣に宿った神様を川に還すこと。堀之内全体の禍や穢れも流すのでしょうか。前日の雨で川は結構な濁流。でもハチマキにさした御幣は見事川に流れました。
【取材・文:苦田秀雄】
堀之内十五夜まつりは旧暦の8月15日に行われる堀之内の鎮守さまである「八幡宮」の秋祭りで、元禄4年の記録以降、300年以上の歴史があります。古くから宿場町として栄えた堀之内の人々は、昔から祭りが好きで、京都などの祭り文化を取り入れていたようです。初日の宵祭りに八幡宮から御幣を授かり、最終日の後祭りに魚野川に納めます。