日本の祭りレポート
ほそしまみなとまつり
東若、南若2基の太鼓台が激しくぶつかりあいます。関西に起源をもつ環瀬戸内に多いふとん太鼓です。祭りの誕生は明治22年(1889)の町村制施行を祝ったもので、神事性よりはイベントに寄った祭りです。海の男の荒祭り。男のにおいプンプン。女性も神輿の上で意気軒高。祈るはもちろん航海安全と豊漁。
細島にはかつて「細島会釈」という俗語があり、知らない人でも互いに会釈しあうという土地柄。ここは瀬戸内交易もあり、あちこちの文化を柔軟に取り入れてきた歴史をもちます。祭りにはそれぞれの土地柄が反映されます。それは方言ともども大切にしなければならない地域の素。太鼓台の上で日の丸を振る若者。純白の衣装に白いハチマキ。日本の男ここにあり。
取材・文:苦田秀雄
明治22年(1889年)の細島町制施行を記念して始まった「細島みなと祭り」は、男たちがかつぎあげた東西の太鼓台が激しく組み合わさる勇壮な祭りです。細島八坂神社の例大祭である「祇園祭」も同日に執り行われ、御神輿が多数の大漁旗に守られて海上をパレードする船渡御では、航海安全と大漁を祈願します。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り