日本の祭りレポート
あいづたじまぎおんさい
祭りは地域の党屋組(とうやぐみ)という組織を中心にして行われ、祭りのおよそ半年前の「おとうや千度」神事から始まります。
7月には「神酒仕込み」「御神橋架け」をはじめ、各種の神事が続きます。7月23日には「七行器(ななほかい)行列」を先導する花嫁行列の「七度の使い」が行われ、夕方には各町の大型屋台が繰り出し、「芸場」と呼ばれる特定の家の前で歌舞伎を披露。その所作は穢れなき幼子ながら伝統の重みをかもす素朴なもの。気心の知れた人同士がかもすたおやかな空気が流れます。わが国の地域社会の多くは地域組織を基盤に、それぞれの家系をも視野に入れ、家々は絶妙な空間距離のなかに共同生活を保ってきたのです。