日本の祭りレポート
つるぎさんほんぐうつるぎじんじゃれいたいさい
標高1955メートル、ここは霊峰剣山山頂。雲海の中を神輿が進みます。これは壇ノ浦の戦いで散った平家悲運の幼帝・安徳天皇の霊を慰める祭りです。由緒によれば、実は天皇は壇ノ浦で亡くなってはおらず、平国盛とともに伊予国大三島を経て阿波国祖谷に向かい、源氏の追手を避けて剣山に逃れたというのです。幼帝はここで崩御し、栗枝渡(くりしと)八幡神社に祀られているとか。この神社の名もキリストを連想しミステリアス。リフトを降りれば頂上に向けてクマザサの急坂が続きます。安徳天皇の神輿は山頂近くの宝蔵神社から「平家の馬場」を渡り、頂上をめざします。平家のシンボル赤旗を手に雲上を六根清浄を唱えながら進む姿は幻想的。
【取材・文:苦田秀雄】
劔山本宮の例大祭は、標高1955m、西日本第二の高峰、霊峰剣山の山頂で毎年7月17日の例祭日以降の日曜日に繰り広げられます。ご神体は、安徳天皇。ご神体を乗せた神輿が山頂を練り歩き、急な斜面のクマザサの中を100人あまりの神輿の行列がかき分けて進む様は、まさに圧巻。夏祭り一番のみどころでもあります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り