日本の祭りレポート
こようまいとかみずもう
古要神社の名前は古くは「古表社」と表記され、「古きを表す」の意。それは奈良時代に豊前国が隼人族を鎮圧したことに由来します。その霊を鎮めるために始まったのが「古要舞」と「神相撲」で、日本の「人形戯(にんぎょうたわむれ)」の源流とされます。(「人形戯」は後の人形浄瑠璃文楽などに発展)
奉納される人形、傀儡(くぐつ)は60体で、「お舞人形」「お相撲人形」「小豆(あずき)童子」「獅子頭」に分類。神様たちは囃子にのって13演目を舞います。「神相撲」では囃子が一層闊達になり、木製の相撲人形が激しく動き、カタカタと体をぶつけあいます。試合は勝ち抜きから1対数名の戦いとなり、最後は東の横綱「祇園さま」と、西の横綱「住吉さま」の戦い。赤銅色の小兵の「住吉さま」は無敵でめっぽう強く、総がかりで挑んでくる東勢を打ち負かします。
【取材・文:苦田秀雄】
大分県中津市古要神社で3年に一度、10月12日に開催される古要舞と神相撲は「くぐつ(人形)」を操る祭りで、国指定重要無形民俗文化財です。笛や太鼓の音に乗せて奉納される古要舞に続いて、神々が東西に分かれて争う神相撲が始まります。くぐつのユーモラスな動きと二転三転する展開に観客は大いに沸きます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り