日本の祭りレポート
ふたまどのしんめいさい
神明さんとは天照大神、つまり太陽神のことです。旧忠海東小学校の校庭に高さ25メートルもの神明さんが立ち、その胴体には「モチ」とよばれる大中小のわっかがつけられ、願いの書かれた飾りものが浜風になびいています。全員力を合わせて神明さんを揺すります。神様の練り歩きです。櫓の上では2人の女装青年が太鼓を打ち続けます。瀬戸内が紅に染まってきました。みな炎を手に手に神明さんを取り囲みます。全員が走り寄って点火。それは一気にぼぅと燃えあがり、熱が躰を直撃。真竹のはぜる音、シダの焼ける音で神様は炎の柱となり、あっという間にどぅと崩壊。涙が止まりません。それは太陽の崩落か。自然を畏敬し、太陽を崇めてきた先人たちの想いが胸を衝いたのかもしれません。
【取材・文:苦田秀雄】
二窓の神明祭は、約400年の歴史を持つ火祭り。竹や松を組んで作られた高さ約20メートルの「神明さん」をたくさんの色紙などで華やかに飾りつけます。男衆によって引き回された神明さんは、夕暮れを待って点火され、人々は炎に手を合わせながら1年間の無病息災や火難避け、家内安全を祈ります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り