日本の祭りレポート
はちのへさんしゃたいさい
来るわ、来るわ、これでもかといわんばかりに大輪の花のような山車がぞくぞく。それは電線があれば身をすぼめて変幻自在。サイズは通常幅4メートル、高さ4メートル、奥行き11メートルですが、仕掛けを広げれば倍の大きさに。飾り山車のテーマは史実、神話、伝説をもとにした造作物。毎年市民が発泡スチロールなどを加工して組み立て、着色し、人形には手作りの衣を着せ、数か月かけて仕上げるのです。その数27台。
祭りは享保5年(1720)に凶作が危惧されたため、町の有力者たちが発案したものとか。それはかつて法霊という山伏が、雨乞いで民を飢饉から救った感謝の気持ちを祭りで表そうということだったのです。
【取材・文:苦田秀雄】
藩政時代より受け継がれる「八戸三社大祭」。
雅やかな三神社の神輿行列と多彩な郷土芸能、華麗な山車の競演が見もので、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つに数えられています。毎年作り変えられる豪華絢爛な山車が、仕掛けを動かしながら迫り来るたび、沿道は大きな歓声に包まれます。(国指定 重要無形民俗文化財)