日本の祭りレポート
かいなんじんじゃなつのれいたいさい
三浦半島先端の三崎の町を30メートルもの巨大な行道獅子(ぎょうどうじし)が神輿を先導して練ります。道中、商店などの前にさしかかると、“○○商店ご繁忙!”といった掛け声をあげ、獅子頭を高々とさし上げ、家の中に乱入。この祭りの特徴は、神輿渡御に木遣がつくことです。“若い衆、頼むよ、てこんげと”、“よいよい”など、それはとってもいなせでかっこいい。祭りの注意事項の伝達までもが木遣なのです。獅子や神輿が木遣に呼応して動くのも珍しい。他所者が神輿を担いでも木遣のテンポに合わないとか。ここは遠洋漁業の基地としても発展。その豊さと江戸を守る誇りがこの祭りには満ちているのです。
【取材・文:苦田秀雄】
三浦市三崎で毎年「海の日」の前の土日に下町で繰り広げられる祭りは、市の重要無形民俗文化財に指定されている「お練り獅子(行道獅子)」で知られる伝統ある県内随一の祭り。神輿を先導して、雌雄2頭の獅子が三崎に伝わる木遣りの掛け声に合わせ、悪魔や災いを祓いながら、港町を勢いよく練り歩きます。