日本の祭りレポート
かわなつはしらまつしんじ
一般的に「柱松」とは、盆や七夕のときに広場に巨大な柱を立て、頂上に御幣や榊を挿し、それに点火する習俗です。
道のむこうから“ぼーほんぃえー”の掛け声が聞こえてきます。厄年の若者と青年団が長さ20メートルもの杉の大木(御柱)を引っぱってきました。大木は海水で清められ、川名津天満神社の前に立てられ、境内では31演目もの神楽が演じられます。そして、午前零時を過ぎた頃、大魔(だいばん)が背中に2メートルの松明を背負って御柱に登り、川名津に火事が起きないことを祈願。この祭りは厄災を天に運ぶというもの。元来、天空は神霊のいる神聖な場所ですが、そこに災いを運ぶという神事は希少。
【取材・文:苦田秀雄】
江戸時代中期より、川名津天満神社に伝承されている厄火ばらいの行事です。 柱松と呼ばれる長さ20m前後の大木を山から切り出し、海水で清めて神社の境内に立てます。夕方から神楽が奉納され、夜半ごろ松明を背にした大鬼が柱松の頂上に登り、お祓いをした後地上に舞い降りて行事は終わります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り