日本の祭りレポート
みつくりかぐら
「三作神楽保存会」は三作集落の60名全員が会員。ここに生きることは神楽をするということなのです。神楽は地区7つの社(やしろ)の神を神殿(かんどん)におよびして、10時間にわたって開催。日本古来の神々が登場して激しい動きをみせます。クライマックスは「三方荒神(さんぽうこうじん」の舞」。3人の演者が神殿の天井から吊るされた綱を手に、ぐるぐる回って撚(よ)りあわせ、1本の綱にして天井に向けて登っていきます。高さは6メートル。舞い手は片手、片足でそれを支え、大の字になり、“畏くも神代の法(のり)を受けつぎて 身を逆さにし いまぞ成しぬる”と唱えます。「卓(しょく)の舞」の「トビヒレイ」では演者が60センチ飛び上がり、一回転してしゃがんだ状態で着地。まるでこれはスポーツか。
【取材・文:苦田秀雄】
和田三作地区(林・原赤・中村の3自治会を合わせて三作という)に古くから伝承され、7年目ごと(卯年・酉年)の式年祭で、地元河内神社に奉納されてきました。神殿を設け、神迎えをして23の神楽舞を奉納するこの神楽は、神祭りのひとつの古風な形をとどめ、中世の華やかな芸能を取り入れて祭りの興奮を高めています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り