日本の祭りレポート
つちざきみなとひきやままつり
ここには24基の曳山があります。高さは4~5メートル程度ですが、電線がなかった時代は24メートルを超えるものもあったとか。ヤマの前面には囃子場が設けられ、後ろは武者人形。照明を浴びて進む人形の姿は大迫力で風流(ふりゅう)。“じょやさ!(除夜叉)”の掛け声に車輪はギイギイ、キュルキュルと独自の音を出し、あたりには潤滑油のにおいが充満。その音と油のにおいは町内によって微妙に違うといい、それがそれぞれの町内のアイデンティティー。
「港ばやし」が勇壮に、「秋田音頭」の踊り子が闊達。木遣は出発のとき“どーとこどーとこせ はらよいやなー”と気勢をあげ、曳山が動かないときは“これでも行かねば神々たのむ”。何とも粋な祭りです。
【取材・文:苦田秀雄】
国指定重要無形民俗文化財の土崎神明社の曳山行事は、土崎地区の旧町内から20台程の曳山が出され、かけ声と「港ばやし」のお囃子にあわせて勇壮に練り歩きます。
20日は武者人形を飾った曳山が町内を練り歩き、土崎神明社に奉納します。祭りは21日に神事のあと町内に帰る「戻り曳山」で最高潮を迎えます。