日本の祭りレポート
うしまどあきまつり
“こんねんはじめて にほんへわたり にほんのみかどはとおりません とおりません”
「牛窓秋祭り」の「唐子踊(からこおどり)」の稚児の口上です。青年の“いよー はなとーしんぎわ やなのかお”の発声に続いて“ヘイ ヘイ ヘーイ”。これは「太刀踊(たちおおどり)」の稚児の掛け声。日本語のようでも意味不明。衣装も朝鮮風。牛窓はかつて朝鮮通信使の寄港地だったことは事実です。
朝鮮通信使の古記に「この地にくれば、多くの住民が集まってきた。われらは踊りを教えた」旨の記録があります。ほかにも諸説ありますが、岡山城下から何らかの経緯で朝鮮通信使ゆかりの牛窓に伝わったという説が妥当かも。だんじりの彫物は牛窓船大工の傑作。
【取材・文:苦田秀雄】
牛窓地区の氏神様、牛窓神社の秋の祭礼で、神輿やだんじりが町を巡行し、唐子踊、太刀踊が奉納されます。太刀踊では、大太鼓役1人、刀を持った男役2人、薙刀(なぎなた)を持った女役2人が、不思議なかけ声とともに舞います。唐子踊では、色鮮やかな異国風の衣装を着た2人の稚児が、小太鼓、横笛、歌に合わせて不思議な踊りをくり広げます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り