日本の祭りレポート
ふしきひきやままつり
伏木地区6町の曳山は、昼は「花山車(はなやま)」として優美に町を練り、夜は「提灯山」に姿を変え、地区の中心部2か所で双方を激しくぶつけあう「かっちゃ」を行います。「かっちゃ」とは「ぶつけあい」のことで、その衝突の衝撃は壮絶。山鹿流陣太鼓と鉦が囃す。弥栄(いやさか)を意味する“いやさー いやさー”の掛け声に重さ8トン、高さ8メートルの曳山が命を得ます。戦いは勝敗に関係なく、頃あいをみて、双方の総代が曳山の「付長手(つけながて」」の上で握手をして終わります。“いい戦いだった”と互いの健闘を讃えあうのです。頃あいを差配できるのは総代の威圧感。その空気が若者の血気を鎮めます。御幸の12人の子ども「母衣武者(ほろむしゃ)」も見逃せません。
【取材・文:苦田秀雄】
伏木曳山祭は、江戸時代後期から続く海岸鎮護・海上安全の神を祀っている伏木神社の春祭りで、別名「けんか山」と呼ばれています。昼は花山車、夜は提灯山車にその姿を変え、山鹿流出陣太鼓の囃子に合わせて、山車どうしが提灯を激しく揺らしながらぶつかり合う「かっちゃ」が行われます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り