日本の祭りレポート
ひがしのすみよしまつり かいでんまきょうそう
大崎上島のある芸予諸島は村上水軍が拠点にした海域。そして小早川水軍で活躍した大崎衆の島で、彼らは航海の安全を祈願するため島に住吉神社をつくり、神輿渡御で御座舟を曳航する櫂伝馬を始めました。
その朝、やってきたのは4艘の櫂伝馬。競漕に参加する白水区、垂水区、盛谷区、古江区です。乗組員は舵取りはじめ合計18名。競漕は5回行われます。1位が4点、2位が3点、3位が2点、4位が1点と決められ、その総合点で最終順位が決まるのです。瀬戸内にレースの幕が切って落とされます。若者に流れる血は大崎衆のDNA。彼らの美学は毛利元就を助けた誇りなのです。
【取材・文:苦田秀雄】
瀬戸内海の大崎上島町で行われる住吉神社の夏祭りでは、江戸時代から櫂伝馬競漕が行われています。様々なコースで島内4地区選出の4艇が、地区の威信をかけたレースを争います。「漕ぎ手」や「船頭」「太鼓打ち」など18人が乗り込み太鼓を鳴らし、かけ声を上げ、勇壮に船を操る様は水軍の栄華を彷彿とさせます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り