日本の祭りレポート
やひことうろうまつり
欅(けやき)の大枝を子どもらが曳き走って街の通りを清めます。「おけやきひき」です。続いて神社から氏子町内に向けての「大燈籠宿下り」。“よーいとこ よーいとこな”の木遣で法被・鉢巻・タスキがけの若者らが燈籠を担ぎあげ、2基の神輿をはさんで街に神幸。12基の燈籠を背景に花火が炸裂。燈籠に飾られた花々は目にも鮮やか。深夜、燈籠の群れは順次還御し、境内の仮舞殿を取り囲みます。祭り関係者も幾重にも人垣をつくり、その中で2人の舞童(ぶどう)による秘伝の舞「天犬舞(あまいぬのまい)」と「神歌楽(かがらく)」が奉納。それは太鼓の上で舞っているとか。ただ雅楽が聞こえるのみ。それは「見るなかれ・伝えるなかれ」と言われている神秘の舞なのです。
【取材・文:苦田秀雄】
彌彦神社の燈籠神事は、日本三大燈籠祭りの一つにも数えられ、彌彦神社の神事の中でも特に賑わいがあります。その起源は詳らかではありませんが、京都衹園社の衹園会が伝わり発展したもので疫病退散、五穀豊穣を願っていると伝えられています。昭和53年5月には、大々神楽、小神楽と共に国の重要無形民俗文化財に指定されました。