日本の祭りレポート
たのべのてんさい
「天祭」とは太陽を祀る祭りです。それは山の上や櫓の上などに桟敷を組み、日天・月天・帝釈天・毘沙門天など12天の描かれた掛軸をかけ、風雨順調と五穀豊穣を祈るもの。祭りは「天棚上」で宮司と行人による祈祷があり、「天棚下」では太鼓・笛・鉦が囃します。氏子たちは提灯を手に、“ごーらいごう”のかけ声で「天棚」を回ります。ここでは中学2年になれば大人として認められ、氏子の一員となるのです。それを「書き換え」といい、通過儀礼。彼らは白い下帯に白足袋姿で御嶽山神社に参り、高龗神社で「はだかもみ」を披露。お互いが腰に手を回し、輪になってぐるぐる回ります。その姿、“どうだ、大きくなった俺をみてくれ”と言わんばかり。
【取材・文:苦田秀雄】
市貝町田野辺地区に江戸時代前期から続く伝統的な祭りで、風雨順調、五穀豊穣、家内・地域の安全を祈る風祭として二百十日に近い8月下旬の2日間開催されています。氏子によって天棚と呼ばれる彫刻屋台が組まれ、その中で祭り囃子が演奏されます。初日の夜行う「はだかもみ」は勇壮で、「とちぎの祭り100選」に選ばれています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り