日本の祭りレポート
たかはましちねんまつり
この祭りは京都「祇園祭」に起源をもつ疫病退散の御霊会(ごりょうえ)です。それは無実の罪で命を落とした人の怨霊や災いを防ぐため、その疫神を慰撫するもの。7年ごとに行われる祭りは初日の神幸祭に始まり、最終日の還幸祭までの7日間、3基の神輿の町内巡行、曳山芸能、神楽、太刀振り、お田植え、俄(にわか)など、参加各町が総力を結集してくりひろげられます。太刀振りは丹後東部に伝わる「振物」をベースに芝居仕立てで、その技量は驚くほど高度。曳山囃子もよく調和がとれ、美しい音曲をかなでます。祭りの最後に3基の神輿は鳥居浜で「足洗いの儀」を行い、7日間にわたり集めてきた地域の厄災を海に流すのです。若狭にこれほどの爛熟、洗練された芸能が残されていたとは。
【取材・文:苦田秀雄】
数えで7年に一度、多くの奉納が7日間にもわたって町の各所で行われる福井県高浜町の「高浜七年祭」。佐伎治(さきち)神社の式年大祭で、県の指定無形民俗文化財になっています。その歴史は古く440年以上前から続いているといわれています。3基の神輿が巡行し、太刀振や大太鼓などの多彩な芸能が奉納され、昔と変わらず氏子たちによって連綿と受け継がれています。町衆は言います「七年に一度だから、祭人の魂は激しく燃え上がるんです」…と。そんな伝統の祭りをこよなく愛し、生活の一部となっている家族がいました。祭りの歴史を丁寧に取材しながら、祭りが織りなす「家族の絆」を描きます。