日本の祭りレポート
むろおじんじゃのやぶさめ
この祭りの神事は念が入っていて、お祓いの「流鏑馬開始の式」、垢離取(こりとり)場での清め「垢離取(こりとり)の儀」と続きます。一行は神社にもどり、射手が順次的を射る「流鏑馬開始式」、3つの的を射る「騎射」があり、最後に神社拝殿での「流鏑馬終了報告」などがあります。騎手は室生神社の参道340メートルを疾走し、90センチ四方の的3つを射ぬく25秒間に向けて厳しい練習を重ねます。
当日、朱色の衣装に身を包んだ2人の若者が連なって疾走。先頭が露払い役で、後ろが射手です。1ノ的から3ノ的までバシバシと射ぬいてゆくその姿は勇ましい。流鏑馬は5回行われ、的に多く命中するほど豊作が約束されるということ。
【取材・文:苦田秀雄】
「室生神社の流鏑馬」は源頼朝の石橋山挙兵の際、現在の山北の地を所領していた河村城主河村義秀が平氏方に味方し、領地没収、斬刑に処せられるところを鶴岡八幡宮での流鏑馬の妙技により許され、旧領に復帰できたという故事に基づき行われる祭事です。露払いの先導と射手の2頭立てで騎射が行われることが特徴です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り