日本の祭りレポート
かわわたりじんこうさい
ここは「炭坑節」知られた田川市。風治八幡宮の対岸にあるお旅所に向うため、11基の山笠が次々と彦三川に入ってゆきます。そして川の中で「ガブリ」を始めます。2~3トンの山笠の前後を上下させるのです。威勢のいいお囃子が祭り気分を高め、白丁の若者らが渾身の力でヤマを操ります。水しぶきが飛び、びっしょり濡れた彼らの意気はさらに高まります。鮮やかにして壮観。眼の前すべてが祭りのパノラマ。暴れるほど神霊は喜び、霊力が増すといわれます。
夜、ヤマには灯りがともされ、昼とは異なった幽玄さをみせます。それはお旅所で神様がゆっくり休まれている様。
【取材・文:苦田秀雄】
約450年の歴史を持ち、伊田村に悪疫が流行ったとき、風治(ふうじ)八幡宮に祈願成就山笠(きがんじょうじゅやま)を立て、ご神幸祭を奉納したのが始まりといわれています。荒ぶる神「須佐之男尊(すさのおのみこと)」が宿る御幣(ごへい)を山笠(やま)の棒の先にくくり、山笠が川で暴れることで悪霊が水に流されます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り