日本の祭りレポート
みずどめのまい
これは希少な雨止めの祭り。伝えによれば、元亨元年武蔵の国は大干ばつに見舞われ、村人は法密上人に雨乞いを依頼。上人は稲荷の像と藁でつくった龍を供えて祈願したところ大雨に。逆にその2年後には集中豪雨で田畑が流失。そこで上人は龍を3体彫り、それに「水止」と書いて「しし」と読ませ、農民たちに獅子舞を踊らせたら雨が止んだとか。それがこの祭りの誕生由来です。
獅子舞の一行は「道行(みちゆき)」を始めます。2匹の龍に見立てた藁の中に屈強な若者が入り、担がれて寺に運ばれるのです。彼らは数メートルごとに地面に転ばされ、その都度法螺貝(ほらがい)を吹き、周辺からは容赦なく水をかけられます。圧倒的な奇祭です。
【取材・文:苦田秀雄】
藁(わら)で作った龍の中にいる男性2人が、獅子舞行列の先頭で転がされ水を浴びせられながら、厳正寺まで法螺貝(ほらがい)を吹いて進むという祭りです。舞台では水止めの獅子舞が奉納されます。「水止舞」は、雨が止むように祈る日照りの舞という意味です。願いを叶えてくれた仏様への感謝と喜びを表しています。「水止め」の獅子舞は全国でもこの祭りだけです。