日本の祭りレポート
かしまじんぐう さいとうさい さいとうさい
この祭りは5歳前後の児童が「大総督」として祭りの頂点に立ちます。一行は太鼓やほら貝にあわせて“イヤ~ホエ カシマノトヨタケ トホヨトホイヤ~”の祭頭歌を囃しつつ、樫の棒をカッシカッシと打ちあいながらゆっくり、ゆっくり進みます。夕方4時半、16組すべてが鹿島神宮の境内に帰還し、一斉に棒を打ちます。祭りのフィナーレ、「一斉囃」です。そして拝殿の前に立てかけられていた「大豊竹」をササラのようになるまで叩き割ります。この祭りは防人の「鹿島立ち」を表すともされます。その行為は北九州に向かう彼らの無事を祈る強い思いなのか、豊作を願う稲穂のすれあうササラの音か。
【取材・文:苦田秀雄】
五穀豊穣や天下泰平を願い、「イヤートホヨトホヤァー」の歌とほら貝、太鼓にあわせて、色鮮やかな衣装を身につけた囃人が街中を練り歩く勇壮な祭り。年間80回を数える鹿島神宮の行事の中でも最も規模が大きく、六尺の樫棒をガッシ、ガッシと組んでは解く独特の音と囃人の歌声が鹿島に春の訪れを告げます。(国選択無形民俗文化財)