日本の祭りレポート
たこまいしきしんじ
福岡神社の社伝の要約です。「古来若一王子権現(にゃくいちおうじごんげん)とも称された王子は和歌山県熊野三社の内の祭神速玉男命(はやたまおのみこと)で、上古紀伊国熊野浦から船出したが、嵐で船が難破。これを見た蛸たちが王子を大蛸に乗せて吉備国にお着けした。その後王子は中国山脈を超えて遂にこの福岡にきた」
神事が終わり、褌男たちが舞堂に入り、その中からひとりが選ばれ、彼を担ぎあげて押しあいが。これは海を渡る船を蛸が支えている姿。最後は「蛸回し」。堂内の丸太に2人の若者がしがみつき、ぐるぐる回されるのです。これは無事に王子の命を助けたことを蛸たちが喜び、舳先に抱きついている姿とか。レアすぎる祭りにただただ唖然。
【取材・文:苦田秀雄】
日本三大奇祭のひとつ「蛸舞式神事」。通常は「蛸さん」、「蛸大明神」として地元民に崇敬(すうけい)されています。境内にある舞堂(まいどう)でふんどし一丁となった氏子たちが、藁(わら)で作った蛸を掲げ持つ男を、神楽囃子にあわせ幾度となく担ぎ上げ、藁の蛸の舞を演じた後、丸梁(まるはり)に抱きついた主役の氏子を下から大勢で回転させるという世にも変わった神事です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り