日本の祭りレポート

毛越寺常行堂二十日夜祭

もうつうじじょうぎょうどうはつかやさい

毛越寺常行堂二十日夜祭1
毛越寺常行堂二十日夜祭2
毛越寺常行堂二十日夜祭3
毛越寺常行堂二十日夜祭4
毛越寺常行堂二十日夜祭5
DATA
1月20日 ※毎年同日
岩手県西磐井郡平泉町 毛越寺
0191-46-2331(毛越寺事務局)
JR東北本線「平泉」駅下車  東北自動車道「平泉・前沢」IC
※取材時2017年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

古(いにしえ)の舞はただ、ただ静厳

これは奥州平泉の毛越寺常行堂で行われる春祈祷です。「延年の舞」は仏教行事の後、僧たちが長生きをすることを願って舞うもの。厳冬の1月20日午後3時、本尊の宝冠阿弥陀如来とその守護神の摩多羅神(またらじん)*への「献膳式」が、4時には毛越寺独特の声明(しょうみょう)*をとなえる「古式常行三昧供(こしきじょうぎょうざんまいく)」が始まります。舞はふたりの僧による「呼立」から始まり、「田楽」、「唐拍子」と続きます。「祝詞(のっと)」は延年の舞のなかでも最も貴重とされ、摩多羅神に対してほとんど聞き取れない小さな声でそのご利益をたたえて秘文を詠むもの。さらに「若女禰宜」「老女」「花折」「留鳥」が舞われ、そこにあるのは文化の重圧。建造物は火災で再建されても、これは800年まったく変わることなく続けられているのです。
*摩多羅神:仏を守る神という位置づけで、やしき神として仏教が日本に入る前からその土地にいた神
*声明:古代インドの学問5分類(五明)のひとつで、法要儀式でとなえられる文学唄

【取材・文:苦田秀雄】

概要

新春の祈祷である常行堂の摩多羅神祭が執り行われる世界遺産、平泉の毛越寺。
結願の20日は二十日夜祭と称され、献膳式に続き古伝の常行三昧供の修法が行われます。また、松明を持ち常行堂まで練り歩き、無病息災、家内安全などを祈願する行列の他、最後に堂内では法楽として延年の舞が夜半まで奉納されます。(国指定重要無形民俗文化財)

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