日本の祭りレポート
のざわおんせんのどうそじんまつり
道祖神はお地蔵様と同じで地域の境界を守って平安を保つサエノ神です。村人たちは道祖神歌を歌います。“目出度建てた 命あるなら来年も また来年も 唄えばつける サアてば友だちゃ良いもんだ”トモダチ衆は激しい攻防戦のあと道祖神の社殿に火を放ち、厄払い、初子の成長をひたすら祈るのです。それはまさに生き抜くための心の叫び。社殿は巨大な火柱となって天を焦がし、雪を赤く染めます。村人の顔は煤で真っ黒。社殿の上の御神木に縛りつけられた小さな祠はやがて紅蓮の炎の中へ。祭りは42歳と25歳厄年の青年たちがトモダチ衆を結成して行うもの。厳しい自然を生きぬく絆は強いものがあります。
【取材・文:苦田秀雄】