日本の祭りレポート
さんぞろまつり
これは「湯立神事」で、とりわけ七福神の問答が人気。午後7時、境内の舞庭(まいど)で始まったのは「不動舞」。不動明王が拝殿から駆けだし、境内の釜の周りをバタバタと3周。彼は神座に座った禰宜(ねぎ)さんに呼び止められ、“何者にて候”と問われます。不動明王が答えます。“さん候、それがしは不動明王”と。それが「参候祭」の名前の由来。番付は七福神の「恵比寿」「毘沙門」「大黒天」と進み、その都度禰宜さんに呼び止められて名前を問われます。奉納演舞は「弁財天」「駒」「布袋」「寿老神」「福禄寿」と「との面」「さいはらい」「獅子」で終了。とにかくやんちゃで元気な山の神々でした。
【取材・文:苦田秀雄】
奥三河の祭りで、深山に伝わる「湯立て神事」であり、その歴史は400年を越えます。松明の灯で幻想的な空気が広がる舞座に登場する七福神が、祢宜との問答のはじめに「さんそうろう~」と唱えることから、「参候祭」と呼ばれています。それぞれが特徴のある舞を披露し、湯立てを行い、見物人に湯をかけて去っていきます。