日本の祭りレポート
ごしょがわらたちねぷた
立佞武多は高さ23メートル。ビルの5階に相当。それを曳く祭り人のなんと小さいことでしょうか。まるでガリバー物語の世界。3基は行列をなして多くの祭り人に曳かれ、市中心部の広場へ。ねぷたに灯りが点きました。“ヤッテマレ ヤッテマレ”の掛け声が渦を巻きます。そして巨大太鼓、鉦、笛のお囃子でねぷたは命を得、周囲を圧倒。そして広場から次々と街なかへと繰りだしてゆきます。その勢い、五所川原人「もつけ」の極み。観る方、感激の極み。青森が凱旋ねぶた、弘前が出陣ねぷたといわれるのに対し、五所川原は戦闘ねぷたを自負。掛け声が“ヤッテマレ(やっつけてしまえ)”なのはそういうことなのです。
*もつけ:津軽弁で、目立ちたがり屋・おっちょこちょい・お人よし
【取材・文:苦田秀雄】
青森県内各地で開催される「ねぶた・ねぷた祭り」を代表する一つ「五所川原立佞武多」。
ビル7階建てに匹敵する高さ約23メートルの立佞武多3台を含む十数台のねぷたが「ヤッテマレ」の掛け声、お囃子とともに市街地を練り歩きます。細かな造形と鮮やかな色使い、迫力ある祭りと優美に燈った立佞武多の絶妙なバランスは必見です。