日本の祭りレポート
ごんがんしんじ たけわりまつり たけわりまつり
「御願神事」は“若い娘を人身御供にださねば田畑を荒す”とおびやかす大蛇を、青竹を激しく叩きつける音で退散させ、最後に退治するという祭り。英雄が大蛇を倒すという伝説は、野蛮な神(動物信仰)が英雄(人間信仰)に変わる過程のもので、それは世界の古代伝説に共通するパターンです。下帯の若者らが境内に積まれた竹をかつぎあげ、ものすごい勢いで地面を叩き始めました。そして大蛇に摸した大縄をかついで近くを流れる大聖寺川に向かい、敷地天神橋から大縄を投げ落としました。こうして悪疫は流され、地域に平安がもたらされるのです。これは武芸の鍛錬も兼ねます。
【取材・文:苦田秀雄】
白装束の青年達が、長さ約2メートル・400本あまりの青竹を境内の石段や石畳に叩きつけ割り尽くした後、大蛇に擬した長さ約20メートル直径約30センチ・重さ約180キロの長縄を拝殿から引きずり出し引き回し川に投げ込みます。別名「竹割まつり」。天武天皇白鳳5年(676年)に、「平和な世においても武芸を怠らぬように」と始められました。