日本の祭りレポート
ごじんこうさい はだかぼうまつり
菅原道真は失意のもとに都を追われ、瀬戸内海を西下。太宰府までの船旅、一行は周防の国の勝間の浦に到着。この祭りは、寛弘元年(1004)、道真の御霊を慰めるため、勅使がここに遣わされて後、常祭となったもの。
夕方6時、防府天満宮をでた御網代輿(おあじろこし)は裸坊に担がれ、勝間の浦のお旅所に御神幸。ここの神事も幻想的、厳粛で観客を古代の世界に誘います。“兄弟わっしょい”の掛け声がユニーク。みどころは、重さ500キロの輿が天満宮57段の石段を上り下りする場面。その“どすん、どすん”という音が輿の重量感を感じさせ、石段が削りとばされます。その激しさは逆賊とされた道真公を最初に祀った防府人の誇りなのでしょうか。
【取材・文:苦田秀雄】
西日本屈指の荒祭りは、日本三天神のひとつ防府天満宮で行われます。この祭りは、寛弘元年(1004)道真公の御霊慰めのため勅使がこの地に差し向けられてより常典となりました。寒空の下、ご神体を奉じた御網代輿を白装束の裸坊数千人が「兄弟ワッショイ」の掛声も勇ましく、菅公着船の地とされる御旅所まで練り歩く長蛇の列はまさに壮観です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り