日本の祭りレポート
なだのけんかまつり
彼らは自らを「灘モン」と呼び、祭りは地域の誇りと意地のぶつかりあい。この祭りで神輿をぶつけあうのは、神功皇后が三韓から凱旋したとき、舟の牡蠣殻(かきがら)を落したことに由来する説と、出兵の際、濃い霧により船がぶつかりあった様子を再現したものがあります。
松原八幡神社に集結した金色屋台の群れには目が眩み、これでもか!という豪華絢爛さ。祭りの最後はお旅山の矢倉畑で神輿のぶつけあいです。家族は祭りにだけ帰ってくる親族をひやかします。“親の法事にうせもせず(来ないのに)、来いとも言わんのによう来たの。甘酒飲むか、寿司食うか。それともヤッサ(屋台)見に行くか”。
【取材・文:苦田秀雄】