日本の祭りレポート
さんじょうまつり
これは江戸時代、第6代村上藩主の内藤信敦が京都所司代に任ぜられたのを契機に始めた祭り。元来京都所司代は10万石以上の大名の任ですが、それに満たない村上藩主が選任されたことに対する町人の喜びがいかに大きかったか。そういう意味でいまでもこの祭りの名前の頭に「10万石格式の」がついているのです。
見どころは奴行列の所作、高さ50センチもの高下駄をはいて堂々と神輿渡御を先導する道祖神と祭りのフィナーレの「舞込(まいこみ)」です。三条八幡宮の境内に2~3歳の子どもを肩車した父親の群れが密集。それが神社をぐるぐる回って最後に道祖神に頭をなでてもらいます。こうして三条の子供は元気に育つのです。
【取材・文:苦田秀雄】
三条の鎮守、八幡宮の春季大祭として催される三条祭りは十万石の格式をもつ大名行列で知られる伝統行事です。文政5年(1822)より代々受け継がれ、現在は三条市の文化財指定を受けております。また、行列が境内に戻って来た時に行われる「舞込(まいこみ)」は、参加した子が無病息災に育つといわれ、毎年多くの観光客を集めます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り