日本の祭りレポート
おおすはちまんじんじゃしゅんきれいたいさい
この祭りで舞われる「雄勝法印(おがつほういん)神楽(かぐら)」の「法印」とは山伏や修験者をさし、祈祷色の濃いこの神楽は彼らが各地の神社の例祭に伝えたもの。祭りの日、神幸はドンヒャラ ドンヒャラ囃しながら海に向かって坂道をくだります。そして突堤の先端の岩場で獅子舞を奉納。その荒々しさは海に向かう人間の意志の強さか、大震災の鎮魂か。さらに神輿は海に入れられ、右に左に激しくもまれます。地域の人を集めて「雄勝法印神楽」が始まります。音調は宮太鼓2基と6穴の横笛1本四調子で、しっとり優雅、ときに荒々しく勇壮。「笹結び」という演目では街に走り出て民家で舞ったりし、災難を追い払い、福を呼び込む演技は大忙し。
【取材・文:苦田秀雄】
海上安全や豊漁を祈る神輿渡御と、国の重要無形民俗文化財である雄勝法印神楽の奉納が行われる祭りです。神輿は「チョーサイ、ヨーサイ」の掛け声と太鼓や笛の音に合わせ地区を練り歩いた後、岸壁から一気に海に入り力強く進みます。神輿を縦に横に荒々しく担ぐと神様が喜ぶと言われ、塩や海水は穢れを払う禊の力があるとされています。