日本の祭りレポート
しものせきかいきょうまつり せんていさい
「先帝祭」は源義経率いる源氏軍に追われ、わずか8歳で海に消えたとされる平氏の安徳幼帝の命日に女官たちが赤間神宮に参拝したのが起源。しかし幼帝はこのとき死んではいない、落人として四国祖谷に逃げのびたという説も。見逃せないのが「上臈(じょうろう)道中」です。それは幼帝の女官たちの源平合戦後の生き方にあります。彼女たちは草花を手折っては沖行く船にそれを売り、幼帝の命日に香華を手向けていたとか。その女官が絶えた後、江戸時代になって稲荷町の遊郭の主人たちがその真心を後世に伝えようと遊女たちに踊らせたのが「上臈道中」。唐戸市場から海峡を眺めれば「源平船合戦」が、さらに「源平武者行列」も。
【取材・文:苦田秀雄】