日本の祭りレポート
すねおりあまごい
かつて脚折の雷電池には大蛇が棲み、旱魃(かんばつ)の際に降雨祈願をすれば雨を降らしてくれたと伝えられてきました。
重さ3トン、長さ36メートルの龍蛇が300人ほどの町民に担がれ、神旗に先導されて白髭神社から2キロ先の雷電池へと行進。犬が尻尾を巻いてほえたてます。小さな雷電池に入った龍蛇は神となって大暴れ。池は泥沼と化します。これは池を穢して龍蛇の怒りをかうことによって雨を降らしてくれるとされるもの。“雨降れたんじゃく* ここにかかれ黒雲”。観客を含め、全員が祈願の文言を唱和。最後に龍蛇の昇天を願い、祭り人は蛇体を解体し、その残骸を家に持ち帰ります。これは真夏の昼の夢。
*たんじゃく:短冊
【取材・文:苦田秀雄】
江戸時代から伝わる降雨祈願の伝統行事です。白鬚(しらひげ)神社での神事により「龍神」へと化身した重さ約3tの「龍蛇(りゅうだ)」を担ぎ、雷電池(かんだちがいけ)へ向けて練り歩き、池で雨乞いを行います。その後蛇体(じゃたい)を解体し、聖地である雷電池を汚すことで龍神を激怒させ、その怒りで雨が降ると伝えられています。昭和51年からは4年に一度のペースで実施されています。