日本の祭りレポート
よしだあきまつり
伊達家三万石伊予吉田藩の総鎮守「八幡神社」の神幸祭として寛文4年(1664)に始まったこの祭り。のちに牛鬼、鹿の子(鹿踊)、練車(屋台)、御船なども加わり、いまそれらは江戸時代の風情をのこす町割りを練唄とともにしずしずと進みます。それは、さながら300年以上前の南予へのタイムスリップ。もうひとつの見どころは、その日の早朝、神社拝殿で奉納される「卯之刻(うのこく)相撲」、神様たちの相撲です。3番目、大関同士が対戦している最中に行事が割って入り、「いずれも名人同士にて勝敗決せず、この相撲明年まで預かり!」と声高らかに判定。力自慢の神様同士ならではの毎年の引き分け、こちらは時が止まったかのようです。吉田町は平成30年の西日本豪雨で甚大な被害を受けました。南予のおおらかな文化と昔ながらの絆が傷ついた人びとをひとつにしています。
※参考:愛媛県公式観光サイト「いよ観ネット」、宇和島市HP等
取材・文:加藤正明
吉田秋祭リは、吉田藩の総鎮守「南山八幡神社」の神幸祭として1664年に始まったと伝わります。
各町よリ繰リ出す人形屋台(練車)の華麗な行列は、小藩には過ぎたるものとして近隣に鳴リ響いていました。現在でも、藩政時代の姿を留めている「おねリ」巡行は、莊厳にして典雅。
神輿、牛鬼、鹿踊り。江戸の絵巻のままの姿があります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り