日本の祭りレポート
いつくしまじんじゃふなかんげん(かんげんさい)
この祭りは久安2年、平清盛が安芸守に任ぜられた際、宗像3女神に奉じる神事として都の貴族の管弦の宴をとりいれたのが起源です。通称「管弦祭」。「管絃」とは、笛・笙(しょう)・笳(ひちりき)の3管、太鼓・鞨鼓(かっこ)・鉦鼓(しょうこ)の3鼓、和琴(わごん)・琵琶・筝(そう)の3絃を意味します。旧暦6月17日の午後4時、伝馬船に曳かれた御座船は神々を載せて厳島神社を出発。海上に管絃の調べが流れ、船は対岸の地御前神社、宮島の長浜神社、大元神社を回って夜更けに還御。それはまさに平安絵巻。頬を撫でる優しい風。御座船は嚴島神社の回廊と摂社の客(まろうど)神社に囲まれた「枡形(ますがた)」で3度回転。かがり火がその光景を映しだします。それは艶やかにして、優美、かつ厳粛。
【取材・文:苦田秀雄】
世界遺産「嚴島神社」を舞台に繰り広げられる優雅な祭礼行事で、日本三大船神事のひとつ。その昔貴族が池で興じた「管絃の遊び」を平清盛が嚴島神社に移入し、海を利用して神様をお慰めするために始めたと伝えられています。夜、舳先(へさき)で篝火(かがりび)を焚いた御座船(ござぶね)が海上渡御(かいじょうとぎょ)する様子はまるで幽玄の世界。毎年旧暦6月17日の大潮の日に執り行われます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り