日本の祭りレポート
はやおさはちまんぐうあきまつり
これはそれぞれの町内が神社のパーツを持ちよって新たに神社を作ってしまう奇祭です。例祭が終わり、早長八幡宮から山車が次々とお旅所に向けて出発。驚くことにその山車が鳥居や灯篭、高麗犬(こまいぬ)などの神社のパーツそのものなのです。それは先頭から台若(だいは)、鳥居、石燈呂(いしとうろ)、高麗犬、阿形(あぎょう)、高麗犬、吽形(うんぎょう)、随神(ずいじん)、右大臣、随神、左大臣、御鏡山、曳舟の順で、最後尾に踊山がつき神輿、神職、氏子などが行列で進みます。“エーエー室積お普賢様じゃ ヨーホーエーコーラ”という「室積山車練り唄」にのって進む姿は舞台装置の大道具運搬風景。それらは早長八幡宮を出発した順序で次々とお旅所に到着。若衆らは手慣れた手つきでパーツを配置。2基の神輿も運び込まれ、あっという間に神社が完成です。そこで神事が終わり、およそ1時間で解体、撤収。
【取材・文:苦田秀雄】
早長八幡宮の秋祭りは、地域の安泰、豊漁や海の安全を願います。見所は、遷座までお宮があった御旅所に向かう「山車巡幸」です。「鳥居」「灯篭」など神社を構成する山車十基と踊山一基は、各集落が受け継いでいます。御旅所に山車が到着すると、神社が出現し、神事が行われます。”神社が町を駆け抜ける”奇祭です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り