日本の祭りレポート
ねっこばんがく
番楽とは東北地方に分布する山伏神楽で、火伏せや悪魔祓いの祈祷のことです。この番楽は根子集落に源氏一族や平家の落人が伝えたといいます。
会場は太鼓や鐘の囃子と、拍子板が激しく舞台を叩く音で開演。まず“我々は農業の働きをする者でござれば、御目まどうところでございましょうが、聖人は人を誹(そし)らん”との口上。それに続く演目は「露払い」「翁舞」「三番叟」「敦盛」「信夫太郎」「鞍馬」「曽我兄弟」「作祭」などに続き「鐘巻」で終わります。演目の間にもご祝儀のお礼口上が述べられ、会場からはその都度“ほー”という声や拍手が送られ、地域のぬくもりのあふれる、なんとも和やかな空気が流れます。
【取材・文:苦田秀雄】
四方を峰に囲まれ、かつて狩猟を生業とした「マタギ」の里としても知られている、北秋田市根子地区で伝承されている、国の重要無形民俗文化財の根子番楽。歌詞が文学的に大変優れていること、舞の形式が能楽の先がけである幸若舞よりも以前のものであるという、大きな2つの特徴があります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り