日本の祭りレポート
ほんばつるさきおどりたいかい
“来ませ 見せましょ鶴崎踊 いずれ劣らぬ花ばかり”この踊りは永禄3年(1560)に始まったとされます。当時豊後の領主だった大友宗麟はいっとき政治を顧みなかった時期がありました。それを重臣がいさめても彼はこれを聞かず、京都の舞子をよんで踊らせたところ機嫌がよくなったとか。それがいまに受け継がれている踊り「左衛門」です。さらに「猿丸太夫」は宝永年間に伊勢踊りが伝わったもの。衣装は住民の工夫を凝らした手づくりで、とくに顔の位置や指先に気を配って踊る優雅なものです。のべ1400人が七重、八重になって踊る様は大輪の牡丹の花の渦のよう。これはありそうでなかなかない踊りの景色です。
【取材・文:苦田秀雄】
450年以上の歴史と伝統のある、国の選択無形民俗文化財、鶴崎踊。「来ませ見せましょ鶴崎踊 何れ劣らぬ花ばかり」大野川を渡るそよ風に乗って流れる囃子の音と口説きに導かれ、大勢の踊り子が七重八重の輪をつくり揺れ動く姿はまさに絢爛豪華な一夜の花絵巻です。当日は踊りと衣装で多くの見物客を魅了します。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り