日本の祭りレポート
とくばたてんじんしゃしゅんきれいたいさい
3基の屋台が子ども神輿に先導されて徳畑天神社に。播州独自の屋台が初夏の光を浴びてまばゆく、太鼓の重低音が山里に響きます。「箒」「塩水」「切麻」の露払いを先頭に、幣帛(へいはくを手にした役員さんたちが一列に並び、天神郷の中学生に担がれた神輿とともに「お旅」にでます。渡御です。鳥居前の神事が終わればもう還御。天神社の境内に屋台3基が揃い、さし上げが始まりました。太鼓の重低音が激しくなり、若者らは一斉に“さ~しませ”の掛け声で屋台を担ぎあげます。それにあわせて屋台の中では太鼓を打つ子らが“め~でたいな”、“て~んかたいへい”“ご~こくほうじょう”、“う~じこあんぜん”などと叫ぶのです。
【取材・文:苦田秀雄】
多可町(たかちょう)は「播磨の奥座敷」とも呼ばれるのどかな農村地帯。奥中、茂利、徳畑、中村町の4地区の氏子がご奉仕する徳畑天神社の春季例大祭では、各地区の豪華なふとん太鼓が集落を練り、徳畑天神社では威勢のよい練り合わせが見られます。瀬戸内海沿岸にみられる大きな太鼓台がイルミネーションを灯して夜道を行く行列は、播磨地区独特のものです。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り